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事例10 「相続させる旨の遺言」により侵害された遺留分を回復するため遺留分減殺請求訴訟を提起した事案において、被相続人から相手方への生前の2000万円以上の財産移転を、「特別受益」と認めさせることに成功し、有利な内容の勝訴判決を獲得することができた事例

<事案>


被相続人 依頼者の母
相続人  3人の兄弟姉妹
依頼者  長男
相手方  妹
遺産   不動産(土地)、預貯金など
 

被相続人は、依頼者であるご長男の母です。
被相続人の配偶者(父)は既に亡くなられていたため、相続人は子3人という事案でした。

生前、被相続人である母は、その所有する全ての財産を末の妹(相手方)に「相続させる」との遺言を残していたため、依頼者であるご長男の「遺留分」が侵害される結果になりました。

そこで、侵害された遺留分の回復を実現するためにご長男が当事務所にご相談にご来所され、末の妹を相手方とする遺留分減殺請求の依頼をうけました。

 

<解決に至るまで>


主な相続財産は、不動産、預貯金、現金などであったところ、当方は、法律に規定されたとおりの遺留分を主張し、まず家庭裁判所に遺留分減殺請求調停の申立てを行いました。 
しかし、当方と相手方の主張は平行線で折り合いがつかず、最終的に調停は不成立となり、事件は、訴訟にて解決が図られることになりました。

調停及び訴訟に至るまでの間、当事務所弁護士が調査したところによると、相続財産のうち、被相続人母の預金から、亡くなる直前に多額の現金約1000万円以上が引き出されていること(以下「本件引出」といいます。)、生前、被相続人から相手方に対し、住宅購入資金として、同じく1000万円以上の援助(以下「本件住宅資金援助」といいます。)がなされていることがわかりました。

そして、本件引出は、相手方妹によりなされたことが明らかになり、これと本件住宅資金援助を合わせて、当方は、遺留分減殺請求訴訟の手続において、相手方の「特別受益」を主張立証することにしました。

この主張が認められれば、依頼者の回復する(取得できる)遺留分額が増額することになります。

一般に、遺留分減殺請求訴訟に限らず、遺産分割事件など相続の紛争では「特別受益」の問題が争点になることが非常に多く、しかも、特別受益を主張する側にとっては、相続という事案の性質上特別受益性を基礎づける証拠に乏しいため、特別受益性の立証が成功しないことがあります。

しかし、本件事案では、当方の主張する本件引出及び本件住宅資金援助のいずれも相手方の「特別受益」として認めさせることに成功し、高額な遺留分を取得する完全勝訴判決を獲得することに成功しました。

 

<解決のポイント>


・ 「特別受益」を認定させ、それを前提とした勝訴判決を獲得することに成功した点。
・ 被相続人の「遺言」において、一人の相続人に財産の全てを相続させる旨の内容となっていても、弁護士に依頼することにより「遺留分」という法律上認められている最低限の持分を確保実現することに成功した点。

※「特別受益」とは、婚姻や養子縁組のため、生計の資本として行われた贈与などを意味し、結婚支度金や持参金、土地の購入資金など広く生計の基礎と役立つ財産給付をいいます。 遺産分割協議、遺留分減殺請求などの事案において、当事者間で争点になることが多い法的問題の一つです。
 

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