遺産分割の方法
Contents
遺産分割でお困りの方
- 遺産分割が思うように進まない
- 遺産分割協議書に押印を求められているが、納得できない
- 相続財産を分けるところでもめてしまっている
- 遺言書の内容に納得できないので、どうにかしてほしい
遺産分割問題は、親族が亡くなった時に突然、表面化します。
しかし、相続問題では、本人が法律や裁判実務を知らずに動いてしまったために、複雑に糸が絡まりより複雑になることがあります。そのような状況になる前に専門家のような第3者から客観的なアドバイスを受け、早期解決を図られることをお勧めします。
遺産分割で揉めやすいケース
特に、以下のような相続人がある場合はもめるケースが多いです。
- 異母兄弟や異父兄弟がいる場合
- 故人に複数回の結婚暦があり、相続人が後妻と先妻の子である場合
- 隠し子がいる場合
相続が発生した場合まずは、相続人が誰なのかを特定することから始めてください。
遺産分割のところでもめてしまい、調停や裁判になった場合でも、単に自分のしたいように意見を主張するだけでは、調停委員も裁判官も味方してくれません。
法律を知った上で、適切な主張を展開することが、自分の利益を守り、幸せな生活を確保することになります。
遺産を分割する方法の原則は法律で定められていますが、実務上は原則通りでないことも多々あり、これらは経験の蓄積がないと理解しづらいところです。
江原総合法律事務所では皆様により幸せな「遺産分割」をして頂けるようにサポートしていますので、お気軽にお問合せ下さい。
法律で原則が決められている遺産分割の方法
遺産分割をすすめるにあたって、まず注意する点は、遺言書があるかないかです。
1. 遺言があれば、遺言通りに相続する
2. 遺言がなければ、法定相続分通りに相続する
しかし、実際には、遺言書があっても納得できないとか、遺留分を求めたい、認めないというようなことで争いになります。
日本ではまだまだ遺言書がない場合が多く、法定相続分どおりに分けることについて不平や不満があり、それが「寄与分」や「特別受益」という形で出てくることもあります。
法定相続とは
財産のある方が遺言をのこさずに亡くなると、その財産は民法で定められた相続人へ、決められた分が相続する方に渡ります。これを「法定相続」といいます。
遺言書をあらかじめ作っていれば、法定相続分と異なる相続をさせることが可能です。
ただし、遺言書が相続人の遺留分*を侵害するものではないかというトラブルが生じるケースがあります。
法定相続人の順位または割合
遺言書がなく被相続人が亡くなると、法定相続では以下のように決められています。
・配偶者は常に相続人
・直系尊属は、子がいない場合の相続人
・兄弟姉妹は、子と直系尊属がいない場合の相続人
法定相続分
「法定相続分」とは、法定相続によって相続人に相続される相続財産の割合をいいます。
法定相続分を知ることは、誰にいくらが相続されるのかを知るひとつの目安となります。
遺言書は亡くなった方の自由意志を反映させるものですが、後々もめないようにするには、作成時にまず参考にされるべきものが法定相続分なのです。
特別受益
相続人の中に生前に贈与を受けていたり、遺言書により多くの遺産を受け取る人がいる場合「特別受益者」として法定相続分から取り分を減らす処理をしなければなりません。
これを特別受益の「持ち戻し」と言います。
さらに例外的に、この持ち戻しが免除される場合もあります(遺言がある場合など)。
事例
遺産総額 | 4000万円 |
---|---|
相続人 | 3人(兄、弟、妹) |
※妹は生前に、新居購入の頭金として500万円もらっている
この場合、遺産総額の4000万円と事前に贈与された500万円の合計4500万円が相続の対象となります。
つまり、4500万円×1/3=1500万円が各人の最終的な受取額となります。
兄 | 1500万円 |
---|---|
弟 | 1500万円 |
妹 | 1000万円+500万円(特別受益=贈与分) |
特別受益者以外の相続人の相続額の算出方法
(相続時の遺産総額+特別受益の額)×法定相続の割合
特別受益者の相続額の出し方
上記で算出された特別受益者の相続分-特別受益の額
「相続人の中に、生前に贈与を受けている者がいるにも関わらず、それが考慮されず不平等だと感じている」「特別受益のある相続人がいるので、交渉したい」といったご相談をよくお受けします。
特別受益については複雑な問題をはらんでいる場合がありますので、弁護士へご相談されることをお勧めします。
遺産分割解決までの流れ
遺産分割協議
前提として、遺言がない場合、遺産は相続人全員の共同財産になります。その共同で相続した相続財産を具体的にどのように分けるかを話し合うのが遺産分割協議です。
当事者(もしくは代理人弁護士)による交渉を行います。
家庭裁判所での遺産分割の調停
遺産分割協議で決着がつかなければ 家庭裁判所へ行って、調停を行います。
家庭裁判所での遺産分割の審判
遺産分割調停でも決着がつかなければ、審判に移ります。
終わりに
当事者間の話し合いがこう着状態となり、感情的な対立はますます激しくなり、いわゆる「泥沼化」するケースも見受けられます。「泥沼化」する前に、法律の専門家から調停や審判を見越したアドバイスを受けることで、打開策が見出せることがあります。調停や裁判になった場合でも、法律を知らずに、単に自分の主張を展開するだけでは、調停委員も裁判官も味方してくれません。法律を知った上で、適切な主張を展開することが、自分の利益を守り、幸せな生活を確保することになります。
また、遺産分割に先立って「相続人の確定」と「遺産の確定」をしておくことは極めて重要です。相続人を見落としたりすると、いくら話し合って遺産分割が成立しても、無効になってしまったり、贈与税が生じたりします。できれば、「相続人の確定」「遺産の確定」段階から、専門家に相談しておく方が間違いがないと思われます。