Q&A 相続人の1人が生前に相続分を超える多額の贈与を受けている場合に他の相続人だけで遺産分割協議を行うことの可否
質問
夫であるA男が死亡し、相続人は妻である私、私と夫の間の長男と次男(いずれも成年)の三人です。このうち、長男は、夫の生前に相続分を超える多額の贈与を受けていたため、遺産分割にあたって、長男が具体的に相続する財産はありません。A男を被相続人とする遺産分割協議を行うにあたり、具体的相続分のない長男を除き、私と次男だけで遺産分割協議をしても問題ないでしょうか。
回答
相続分を超える特別受益を受け、具体的相続分のない相続人であっても、法律上、遺産に対する権利を有しており、共同相続人たる地位を失うものではないため、遺産分割協議に加えるべきとされています。
したがって、具体的相続分のない相続人を除いてなされた遺産分割協議は、無効となる可能性があります。
なお、このような場合、相続分がないことの証明書(特別受益証明書)を長男が作成し、妻及び次男のみで作成した遺産分割協議書に当該証明書を添付すれば、相続登記の申請を行うことが可能です。