Q&A 遺産分割協議がまとまらない場合
質問
父が死亡し、母・兄・私が相続人となりましたが、兄は、協議段階から、私との接触を一切拒否しており、話し合いに全く応じてくれません。遺産分割の調停を申立て、なんとか話をしたいと考えていますが、当事者に出席義務はあるのでしょうか。また、兄が調停に出席しなかった場合や、出席しても話し合いがつかない場合、手続はどうなりますか。
回答
法律では、正当な理由なく調停に出頭しない当事者に対しては、家庭裁判所が5万円以下の過料を課すことができる(家事事件手続法第258条第1項、第51条第3項)ため、原則として出頭義務はあると解釈されています(もっとも、実際にこの過料が課せられることはほとんどありません)。
また、裁判所という公的機関から呼び出しがなされるため、ご兄弟に出席を促す効果が期待できます。
ご質問のようなケースでは、まず調停を申し立てた方が良いでしょう。
調停はあくまで話し合いの場ですから、その成立には、相続人全員の合意が必要です。
したがって、ご兄弟が欠席してその意思確認ができない場合や、分割の方法に反対する場合は、調停は不成立となり、審判に移行します。
審判は、裁判所が、当事者の主張を聞いた上で、どのように分割するかを決める手続です。
この場合、法定相続分にしたがって分割されることが多いでしょう。